「君は独立をすべきだ、僕のようにね」

初めは何を言っているのか、その言葉自体が理解が出来なかった。
それは毎日恒例のテァータイムのときの会話の一文で、アメリカに保護されて一週間目の出来事だった。本当はシェイクの方が好きなのだろうが、きっとわたしに合わせて紅茶を飲んでいる。
いきなり会話の話題が飛んでしまい、状況がよく飲み込めない。頭の中でガチャガチャとその言葉を噛み砕いてみようとしたときに、未知の単語が頭にぶつかる。

「独立って…何?」

「えっ、知らないの……?!」

疑問文の答を模索ているのだろう。少し困ったように腕を組み、う〜ん何だろうなぁ、と一人でぶつぶつ繰り返したのちに太陽みたいな笑顔でこう言った。

「独立、うん、それは自由を得ること!!」

自由とは何か、独立することとは、ということ云々を永遠と聞き、それを実行することが最善の策なんだという雰囲気に何となくなっている。と、いうかアメリカはさせる気満々だ。

「じゃあ独立するためにはどうすればいいの?」

「うん、それはね、明後日に世界会議っていう沢山の国々が集まる会議があるから、そこに君を連れて行く。」

「それで?」

「僕が君の独立について同意を取れるように案を出すから。そのあとそれが可決されれば君は晴れて独立した国と認められるのさ」

小腹が減ったと言って席を立ち上がり台所に行ったかと思えば、紙袋いっぱいのドーナツを抱えて、たっぷりとチョコレートがかかったそれをむしゃむしゃとフライングで食べながら帰ってきた。それにしてもよく食べる、そんなことばかりしていてはデブになってしまうぞ。
その後もアメリカの話は続き、押されるような形明後日の会議に行くことになってしまった。
アメリカの話はめちゃくちゃだけれども首を縦に振ってしまいそうになる魅力がある。多分凄くはきはきと楽しそうに話すからであろう。

「ところでアメリカは年いくつなの?」

「え〜っとねぇ、今年で230才過ぎぐらいかなぁ〜」

「あ、わたしの方が年上だ」

「嘘っ!!?」

こうして今日のお紅茶タイムは閉幕した。