ロシアの元に駆け寄るを見て、嫉妬とは言えない何かを感じた。足先から崩れ落ちて横になる様を見て、心配や驚きという感情よりも、ざまあみろ、と心の中で呟いた。そこには醜い自分がいた。立ち尽くしただ窓越しから見下しているだけの俺、膝をつき小さな腕でロシアを抱きしめている君。
がお願いをするから、仕方なくロシアを抱えて、家に迎えた。やはり男を担ぐのは重い。どさっとソファーに落とすとに物凄い形相で睨まれたが、弱っているロシアが目の前にいるからか声を荒げることをあえてしないようだ。そして俺のことを構うことも無く、介抱の支度をする。

「多分、脱水症状かしら……」

彼女かポロリと漏らした。

「こんな厚着で、汗かいて、ずっと歩いて。

彼の服装はまさに極寒の地ロシアにいるような服装で、いくら湿度の高くないアメリカと言えども今の時期うろつくのはきついだろう。
はロシアからコートをはぎ取り、水をはった桶に浸したタオルを絞ってロシアの汗を拭っていく。彼女が今日開けた、飲みかけのミネラルウォーターに塩を少し混ぜて、意識朦朧としている彼に飲ませてあげていた。
初めはそれを壁に寄りかかって見ていたが、俺の家の一室で瞳に映る二人だけの姿がとても癪に触った。の手がロシアの着ているジャツの胸元に伸びたとき、我慢が出来ずに静かに部屋を出た。

*

「ああ、どうしたって言うのだ俺は……らしくないじゃないか」

キッチンでしゃがみ込む。冷蔵庫から500oLのコークを取り出し、勢い良く喉に流し込んだ。炭酸が喉を刺激し、甘さがべっとりと張り付く。目に映るのはボトル内の真っ黒い真っ黒い液体、自分の今の感情を飲み下してる。ぷはぁと口を縁から離したときには、半分にまで量が減っていた。

「いくらロシア相手にでも、ここまで嫌なこと思ったことなかったのに」

空いた左手で降りかかる前髪を書き上げると、目の前のオレンジ色の食器棚があった。鮮やかな色合いが可愛いとがしきりに誉めてくれたもの。本当は赤を買うつもりだったのに、誤って買ってしまったもの。返品しようと思ってたそばにそのようなことを言われてしまえば、返せるはずがない。寧ろ上機嫌になって食器をそこにいれていた。

「ヒーローが聞いて呆れるぜ…ハハッ」

自嘲気味の声が響くが、周りには誰もいない。俺一人だ。そして次第に、うっすらと自分の中に核が見えてきた。残りのコークを飲み干したとき、液体にまみれ隠れていた、ブリキ仕掛けの全容がはっきりと浮き彫りになった。なんて歪なハートなんだ、継ぎ接ぎだらけでどこか錆びてそうな鈍い鈍いハート。
ロシアが憎いとか、ただそんなものではなかったのだ。

「I fall in love ……with her. I didn't know how much I care about her but ignored my feeling !」

そして静かに頭を垂れた。








(すいませっ、英語自信ないっすu)