仕草、表情で、ああこの子はメテオ災害の被害者なんだな、と思った。星を救うことはなんとか出来たけれども、人々までというほどの余裕も力量もなかった。
あれから二年が経つ。そのときに生まれた負の産物も大きかった。街には親を亡くしたストリートチルドレンが溢れるようになり、物乞いをして生きる者、窃盗をしたり悪事を働く者と様々、過去一番治安の悪い時代だろう。“神羅”が無くなったということはよい意味でも悪い意味でも大きかった。

「メテオ災害で親を亡くしたくちか?」

「……………」

その無言だけで十分にわかった。
この子がこうやって生きていくしかないようになってしまったのもある種俺の責任だ。あのとき俺にもっと力があれば。いつだってそう悔やむ。俺がいると大切な人を奪ってしまう。
の強がりが目に見えてわかってしまうから、尚更心が痛む。

「……お前は施設とかには入れなかったのか?そうすればそこそこに面倒を見てもらえるはずだが」

「はぃ?何言っているのさ」

「?」

「19になる奴が子供の施設に入れるわけないじゃん」

しばし見つめ合いフリーズ。彼女は呆れたような顔をしていた。……19才?嘘だろう、どう見ても13・4才そこらにしか見えない。

「19才って……」

の方をゆっくりと指差した。彼女は不服と言わんばかりに静かに頷いた。ユフィと同じような年齢じゃないか、子供っぽいユフィと比べてもきっとユフィの方が幾分年上に見えるだろう。

「よく言われるよ、そんな年に見えないってね」

俺はだらしなく開いた口をぱくぱくさせる。化粧っ気が無く少年みたいな体型をしているせいかも知れないなとどことなく納得した。

「ってかいい加減縄外せよ!!!」

ぎゅぅぐるるるる

間近で大音量のエンジンがかかる音がした、いやエンジンではない、違う、なんだこの音は。
彼女の顔が真っ赤だった。

ぎゅぅぐるるるる

エンジン音かと思ったものは、盛大になった彼女のお腹であった。